シャッターの鍵が故障して閉まらない・下りないときに修理する方法と原因解決策
シャッターが閉まらない、開かなくなるトラブルは、シャッターのトラブルの中でもよくある事例のひとつです。この場合は力任せにシャッターを動かせば解決することがありますが、その手段は最善とはいえません。
では、もし、シャッターのトラブルが起こってしまった場合、どうやって対処すればいいのでしょうか。
このコラムではそんなシャッターが閉まらない、動かないなどといったシャッタートラブルを中心に取り上げていきます。
シャッターが閉まらないときにすぐに確認すべきこと3つ
シャッターは大きく分けると、電気の力で開閉する電動シャッターと、手動で開閉する手動シャッターがあります。どちらかによって原因も変わってきますので、そのことを踏まえ、シャッターが開かない、閉まらないときは、まずは次のことを確認してみてください。
(1)シャッターのサビや異物の混入を確認
シャッターがサビていたり、異物が混入していていないかなどを確認しましょう。主に天井部分のシャッターケースや、両端のガイドレールにサビや異物(鳥の巣など)があると、シャッターの動きが悪くなります。
サビ、異物のチェック
サビなどは経年劣化などが原因で付着してしまいますので、潤滑油をさすなどの対処が必要です。とはいっても、潤滑油であればなんでもさしてよいというわけではありません。
潤滑油にも種類があります。中には洗浄作用が強く、かえってもともとシャッターに塗ってある潤滑成分(グリスなど)を洗い流してしまうこともあるのです。また揮発性の高いものなどは油分が飛んでしまいやすく、逆にサビの原因となってしまうことも。潤滑油を選ぶ際は、シャッターに適したものを選ぶようにしましょう。
また異物が混入している場合は、異物を取り除くことでシャッターが正常に戻ることがあります。この異物にもさまざまなものがありますが、なかでも多いのは『鳥の巣』です。巣そのものはもちろん、巣から出るわらや木くずでシャッターが動かなくなってしまうこともあります。
一方異物が金属の場合、たとえ小さくても動作不良の原因となります。ライトなどを使って丁寧に確認するといいでしょう。
施錠・開錠レバーの異物にも注意
シャッターの下部の中央付近には座板と呼ばれる部品がついていますが、同じ場所に施錠・開錠レバーが取り付けられていることが多いでしょう。そのレバーのすき間に、ホコリや異物がたまっていることがあります。この問題は、掃除機などでホコリを吸うことで解決できます。
また冬の時期でシャッターが開かない場合は、凍結による動作不良が原因かもしれません。暖房設備で解凍してから、シャッターを開閉しましょう。
(2)電源が供給されているか確認(電動シャッターの場合)
電動シャッターの場合、シャッターの電源部分から電気が供給されているか確認してください。かなり初歩的なことに聞こえるかもしれませんが、電動シャッターが閉まらない原因として、意外と多い理由のひとつなのです。
実はシャッターの電源は天井のコンセントからとっていることがあります。天井など普段はあまり見る場所ではありませんし、また暗いことも多いです。コンセントから電源が外れていても気づかないことがあるのです。
また、外から開けようとするときは中でブレーカーが落ちていて作動しないということもあり得ます。その場合には、電動シャッターを手動で動作を開閉する必要がありますよね。
電動シャッターには、ヒモを引いたり、ハンドルを操作するなどで手動でシャッターの上げ下げをできるものがあります。これは停電時などにも有効です。
(3)シャッターが変形しているか確認
シャッターが変形していると、開閉をスムーズにおこなえないときがあります。
A.スラットの変形
シャッターの横長の板の部分はスラットといいますが、スラットの端部分が変形していると動作がおこなえません。もともと端の部分は弧を描くように曲がっていますが、さらに曲がってしまったり破損していたりするとシャッターの開閉に支障が出てきます。
B.ガイドレールの変形
ガイドレールとは、シャッターの両端を固定している部分です。電車のレールのように天井から地面まで伸びています。レールがゆがんだり曲がったりしているとシャッターを上げたり下げたりするときに引っかかることがあります。ゆがみなどがないか確認しましょう。
まれにある電源の「半落ち」とは?(電動シャッターの場合)
電源のつまみでON / OFFがある電動シャッターなどでは、まれに電源が「半落ち」という状態になることがあります。これはスイッチが中途半端に押されてしまった状態です。電源のつまみをしっかりONに合わせることで改善する場合があります。
鍵が原因となるトラブルもある(手動シャッターの場合)
シャッターの鍵に関するトラブルもあるようです。例えば手動シャッターの場合、表の鍵穴に鍵が挿しっぱなしだと、開閉時に鍵が引っかかることがあります。またうっかりして鍵を開け忘れていないかチェックするといいでしょう。
以上、シャッターが閉まらないときに、まず確認すべきことをご紹介しました。
シャッターのスラットやガイドレールが変形した場合は、自分で修理することが難しいです。スラットやレールを取り換える必要があるかもしれません。修理業者に相談して直してもらうことをおすすめします。
自分(DIY)でシャッターが開かない・閉まらないトラブルを解消する方法
シャッターが開かない・シャッターが閉まらないトラブルは、ケースによっては自分で解消することもできます。自分でシャッター修理を行なう際に、まず試してみてほしい修理方法はこちらです。
潤滑油を利用する
シャッターのスラット部分や両端のガイドレールに潤滑油を使用して不調を直すことができます。
特に開閉時に「キーキー」という金属音がする場合は、金属のきしみがあることが多いため有効です。経年劣化によってさまざまな箇所に塗る必要があるかもしれませんが、動作をスムーズにおこなうには最適だといえます。
鍵をしっかり回しきる(手動シャッターの場合)
シャッターの鍵の仕組みは、一般的な鍵の仕組みとは異なります。そのため鍵をしっかり回しきっていないとシャッターが開かなかったり途中で止まってしまうことが。注意してみてください。
シャッターの鍵を閉めると、同じ高さに付けられている両端の「ラッチ」と呼ばれる部品が飛び出します。
ラッチがレールの穴に引っかかることでロックできる仕組みです。
ラッチは鍵が半掛かり(完全に回しきっていない状態)でも飛び出すことがありますから、ラッチが出たままシャッターの上げ下げをするとラッチがレールに引っかかったまま動作していることになります。これだと、動作は非常に重たくなりますし、ラッチがすれて金属音が鳴ってしまうことにつながるのです。
ラッチはシャッターが下りきっていないのに施錠してしまうと、レールの穴との高さがズレたままロックしてしまうことになり、よくありません。そうなると次回鍵を開錠するときに動作が非常に重たくなるので、開錠できないトラブルにつながります。
光電センサーの誤作動(電動シャッターの場合)
電動シャッターの内側の足元には、光電センサーと呼ばれるセンサーが付いていることがあります。このセンサーは、シャッターの下の障害物を検知するために取り付けられています。つまり何かが挟まったらシャッターが止めるセンサーです。この機能が誤作動を起こして、シャッターが開閉できなくなっている可能性もあります。
その場合、センサーのレンズ部分にホコリや水滴をよく絞った布なのでキレイにふき取ってください。センサーの動きを正常に戻すことができるでしょう。
エマーゼンスイッチの誤作動を直す(電動シャッターの場合)
エマーゼンスイッチとは、巻き取りBOX内で余計に膨らんでしまったスラットが触れることで自動的に停止する機能です。この機能が作動すると全開・全閉時以外でも巻き取りがストップします。エマーエンスイッチからスラットを離すことで開閉が正常におこなわれるようになります。
スイッチは、BOX内にあります。四角い金属の板のような部品です。エマーゼンスイッチと書かれた紙が貼ってありますから目視で確認することができます。
ここまでシャッターが開かない・閉まらないトラブルについて対処法をご説明してきましたが、「何が原因になっているかわからない……」という場合もあるかもしれません。特に電動シャッターの場合は、センサーやスイッチが原因だと、私たち一般人にはちょっと手が出せないように感じますね。
こきにご紹介した方法でも、シャッターに改善が見られない場合は、早めにプロに修理を依頼するようにしてください。
費用はいくらかかる?シャッターが閉まらないときの修理費用
シャッターはしようと思えば自分でDIYして直すことも可能です。しかし、それには手間はもちろん、時間もかかってしまうだけでなく、DIYに失敗してしまえば、買いそろえた部品などが無駄になってしまうことでしょう。
DIYをおこなう理由としては、「業者に頼むと余計に費用が掛かってしまう」と考えられる人が多いようですが、実際にシャッターの修理費は業者に頼む場合、どれくらいかかってくるのでしょうか。
シャッターの修理費用
業者にもよりますが、部品交換の場合は15,000円~といわれています。シャッターを交換する場合は、手動シャッターが150,000円~、電動シャッターが250,000円~です。
DIYであれば、シャッターの本体や部品代しかかからないため、費用は業者による修理が高くついてしまいがち。しかし、修理、交換をするならば、シャッターの修理、交換に慣れていない素人よりも、現場慣れしているプロに任せた方が安心できるのではないでしょうか。
費用を安く済ませるためには?複数社に見積もりをしてもらいましょう
シャッター修理、交換の費用は業者によって違いがでてきます。複数の会社をみているうちに「ここが安い」「ここは割高」と思う場所が出てくるかもしれません。
業者のHPに載っている費用はあくまで参考費用ですので、実際に修理、交換費用を詳細にみつもってもらうと安く済んでしまうこともないとは限らないのです。
業者の見積もりは有料でしている会社がある一方で、見積もりだけなら無料でしてくれる会社もあります。安くシャッターを交換、修理するためなら労力を惜しまない方、ぜひ一度、業者に見積もりをしてもらってみてくださいね。
シャッターの修理が必要なとき
シャッターの修理が必要とされているのは、次のようなケースです。
A.経年劣化による寿命
B.地震や台風で大きく損傷した場合
C.手動シャッターから電動シャッターに交換する場合
この中でも日常のトラブルで関係があるのは、経年劣化による故障や寿命です。経年劣化により、シャッターには変形などのさまざまな不調がみられます。シャッターの寿命は「10~15年」、耐用回数では「5,000~10,000回」といわれています。
もしこのシャッターの寿命以上に使用し続けている場合は、シャッターの交換時期と考えていいでしょう。業者によって料金などに差がある場合も考えられますから、いくつか見積もりを取っておくと業者を選びやすいといえます。
シャッターのメンテナンス方法
シャッターが閉まらないなどのトラブルは、日々のメンテナンスをきちんとおこなうことで、トラブルの発生率を抑えることができます。
シャッターのメンテナンスの方法をご覧ください。
週1ペースで拭き掃除をおこなう
シャッターのほとんどは金属製が使われていますので、ほこりやよごれを放置していると、シャッターのサビや腐食などといった原因になりえます。
週に1度を目安に、拭き掃除をおこない、シャッターについている汚れを落としてください。
とくに、雨の後は、泥はねで付着した泥がシャッターについているときがありますので、念入りに掃除をおこないましょう。
オイルアップクリーニング
簡単なメンテナンス方法として、サビやほこりによるつまりを予防するために、年に1度は潤滑油によるオイルアップクリーニングをおこないます。
シャッター専用のオイルはホームセンターなどで販売されています。オイルアップクリーニングを行うことでサビで動きづらいというトラブルが減り、「キーキー」などの金属音も減少します。
半年に1回はシャッターケースの点検を
異物による引っかかりを予防するには、半年に1度くらいシャッターケースをかるくチェックするようにしてください。シャッターケースには、コウモリやツバメが巣作りをしているなど、思いがけないトラブルが起きていることもあります。
また、シャッター両端のガイドレールは2週間に1度くらい点検をするといいでしょう。とくに手動シャッターの場合は、シャッターの開閉をおこなう人のクセで1箇所にキズがみられるときがあります。正しく上げ下げがされているか、細かなチェックも必要です。
まとめ
シャッターのトラブルの中でも、閉まらない、動かないといったものはよく起こりえます。この場合の原因として考えられるのは、シャッターの電源が外れていたり、鍵を開け忘れていたりなどです。そのほかにも異物がシャッターの隙間などに挟まっているなどの外的要因もあります。
シャッターがなんらかの原因で故障してしまった場合、軽度であれば自分で直すことも可能です。しかし、寿命などによる経年劣化が原因で故障した場合は修理業者の手でシャッターを交換してもらったほうがよいでしょう。