シャッターの修理にかかる費用は?なるべく安く抑える方法をご紹介!
飛来物や侵入者からわたし達の財産を守るシャッターは可動部分も多く、日々の使用に伴い故障するようなことも少なくありません。しかしシャッター修理は高額になる印象が強いのも事実です。だからといって故障した箇所を放置し、無理な負担をかけていませんか。
シャッター修理はその修理箇所によって大きく費用が変わる分野です。故障はさらなる故障を引き起こすため、傷が浅いうちに直してしまいましょう。
今回はシャッターの修理を依頼する際に知っておきたい知識、そして故障の予防方法をご紹介します。
シャッターの修理費用相場
シャッターの修理を依頼しようとする際に、難しい点のひとつとして「どこが故障しているか」を伝えることがあげられます。まずはシャッターの構造を簡単に把握し、故障箇所がどこかを説明できるようにしておきましょう。
シャッターの名称
シャッター正面
【スラット】
細長いブラインド状の金属板が組み合わさった形をしており、シャッターの本体とも言える部分です。シャッターを開閉するための手掛け部分や、外部から内側へと物を入れられるポストの穴が付けられていることも多くなっています。
なおガレージなどではシャッターを巻き取るのではなく、天井に沿ってまっすぐに収納されるタイプもあります。この「オーバースライダー」タイプではスラット自体が比較的大型になっているのが特徴といえるでしょう。
【座板・水切り】
シャッターの一番端の部分で、格納時にも見える部分です。シャッターの内側に雨水が吹き込まないよう、地面と密着するための平面部分が設けられています。またシャッターを下ろすときのための棒を引っかける穴が開いていることも少なくありません。
スラットは金属製ですが、この部分には樹脂製の部品や腐食を起こしにくい金属が使われることも多いです。
【ガイドレール】
シャッターがスムーズに動くよう、外側に付けられている溝の部分です。この溝に沿ってスリットが動くとともに、スラットを支える役割を果たします。
【中柱】
シャッターは両側のガイドレールでスラット部分を支えているため、とくに上下に開閉するシャッターの場合開口部が横長になりすぎると力に耐えにくくなります。またシャッター自体も重くなりやすく、手動で開閉するには不便です。
そこで中間部に取り外し可能な柱を付けられるようにし、シャッターを分けることで耐久性向上を実現するのです。この取り外し可能な柱のことを中柱といい、多くは金属製で両側にレールの溝が刻まれています。
【ラッチ】
シャッターの内側からかける簡易的な錠で、ガイドレールに開けられた小穴に棒を差し込んで固定します。左右に1か所ずつあり、1セットになるように使うことが多いです。
【内外錠】
ラッチ錠の両側をつなぎ、外側からも鍵穴を操作して開けられるようにした錠です。
シャッターケース
巻き上げ式シャッターの上側もしくは左右(アコーディオンタイプの場合)に付けられている、シャッターを巻き取って収納するための部分です。といってもただ巻き取るだけでなく、動作を軽くするための工夫がされています。
【巻き取りシャフト】
シャッターを巻き取るときの芯となる部分です。
【軸受け】
シャフトの位置を固定し、スムーズに巻き取りがおこなわれるように工夫されています。
【プーリー】
シャフトを中心に固定された円盤状の滑車で、シャッターの開閉を補助する役割を果たします。
【スプリング】
プーリーに対して取り付けられており、ばねのねじれによって開閉にかかる力を補助する役割があります。
電動シャッターについている部品
近年ではシャッターの巻取りにモーターの動力を使い、開閉の負担をぐっと抑えた電動シャッターが家庭や小さな商店などでも利用されるようになってきました。しかし、ただ単純にモーターを取り付けるだけではシャッターと地面の間に人や物を挟み込む状況が起きかねません。そのため、スイッチ(センサー)を取り付けることで事故を防止できるようにしています。
【モーター】
シャッターを開閉する力を生む部分です。巻取りシャフト内に固定されているタイプ・別に取り付けられているタイプの2種類があります。後者のタイプではチェーンやモーターベルトをひっかけたプーリー経由で力が伝わるようになっています。
【座板スイッチ】
シャッターが障害物に当たったことを検知し、緊急停止するためのセンサーです。
【リミットスイッチ】
シャッターを開く際、限界以上に巻き上げてしまわないよう感知するためのセンサーです。
【手動切り替えスイッチ】
停電時などでもシャッターを開けられるよう、モーターによる固定を外すための切り替えスイッチです。あくまで非常用のため、使うのは最低限にしましょう。
【制御盤】
シャッターの動きをコントロールするための部分で、多くはシャッターケースの中に格納されています。
シャッターボックス
これらを参考に、シャッターの修理を依頼する際には「どこが壊れたか」をしっかり伝えるようにしましょう。そうすると修理の見積りも検討しやすくなります。
シャッター修理費用の相場を確認!
ではシャッターが故障した際、修理にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。故障の症状別に確認してみましょう。
症状別の費用相場
症状と代表的な対処法、それにかかる費用相場をまとめたのが次の表です。
症状 代表的な対処 費用相場
ひっかかる サイドレールの調整・交換 6,000円~(調整)
20,000円~(交換)
シャフト調整 7,000円~
さびている さび止め・塗装 4,000円~
開閉が重い スプリングの交換 70,000円~
潤滑剤塗布 2,000円~
斜めに開く シャフト調整 7,000円~
曲がってしまって動かない スラット調整・交換 10,000円~(調整)
200,000円~(全交換の場合)
音が大きい 変形部分の修理・交換 6,000円~
錠がかからない 錠部分交換 5,000円~
電動シャッターの場合
動かない 制御盤の交換 20,000円~
モーター交換 200,000円~
途中で止まる 座板スイッチ交換 6,000円~
最後まで上がらない リミットスイッチ交換 40,000円~
(あくまでも代表的な症状であり、実際には別の箇所の故障や対処になる可能性がある点に留意してください)
スラットの変形などで部品の交換が必要となると、シャッターの修理費用は高額になります。長年使用しているシャッターで変形がひどい場合、修理するよりもシャッターごと交換した方が安く済む場合も少なくないのです。
なおシャッター交換の費用については後ほど取り上げます。
合わせて確認したい、故障しやすい箇所
シャッターにはいくつか故障しやすい箇所があり、一度点検してみると小さな故障が見つかることも少なくありません。定期的に点検する習慣を付けておき、早い段階に処置できるようにしておきましょう。
スプリング
スプリングはシャッターを開閉する際にねじれを吸収し、開閉を補助する力を生み出しています。これはばねの弾性力を使ったものですが、開閉を繰り返していくとどうしてもこの力は弱くなってしまうことが現実です。
そのためシャッターの開閉が重いと感じたときはまずこの部分をチェックしてみましょう。
ガイドレールの潤滑
金属のスラットがなめらかに動くには、両側を支えるガイドレールに歪みがないことが重要です。しかしガイドレールはシャッターを開いているときには風雨にさらされる部分であり、さびや汚れの影響を受けやすい箇所でもあります。
そのため金属がこすれるような異音がするときや、シャッターが途中で止まるときには一度点検してみることが重要になってくるでしょう。
錠の部分
ラッチ錠はガイドレールに空いた小穴に棒を差し込むことでシャッターの動きを固定します。見た目では意外と開閉の状態が分かりにくく、ラッチ錠や内外錠を閉めたままシャッターを無理やり開けてしまうことも少なくないのです。すると錠部分は歪んでしまい、開閉に支障が出てしまいます。
また内外錠は外側に向かって鍵穴が付けられていますが、ここにホコリや雨が入り込んで動きが悪くなることも少なくありません。
シャッター修理にかかる期間
シャッターの故障を防止するための心がけ・メンテナンス
シャッターには構造上弱い部分がいくつかあり、その部分がシャッター修理の対象となることも多いです。そのため日ごろ使うときに意識しつつ、定期的にメンテナンスをすることで故障を防ぐことも難しくないでしょう。
シャッター使用時の心がけとして、次のような点を意識してみてください。
ものをぶつけないように気を付ける
修理が必要な代表的な症状として、シャッターの変形があります。
強風や物の衝突・浸水などでシャッターに無理な力がかかるとスラットが曲がってしまい、開閉がしづらくなってしまうことも多いのです。変形してしまうと巻き取りに支障が出ることも多く、ほとんどの場合スラットの交換となってしまいます。
錠の状態に気を付ける
防犯面のカギとなるラッチ錠・内外錠の部分。誤って締めたままシャッターを動かしてしまうと錠だけでなく、シャッター本体が歪んでしまうおそれさえあります。そのためシャッターを開けるときには錠が閉まっていないか、一度確認するようにしましょう。
また内外錠の鍵穴に関しても異物が詰まっていないか、さびなどが進行していないか日々チェックすることが大切です。
電動シャッターはむやみに手動状態で使わない
電動シャッターの手動切り替え機能は非常時の閉じ込めなどを防止するために付けられています。つまり故障のリスクを負ってでも、シャッターを開くことを最優先にした機構といえるのです。
そのため手動状態で何度も開閉を繰り返すと故障のリスクは高まります。節電など考えるかもしれませんが、修理代金を考えればむしろ高くつくおそれもあるでしょう。
また電動シャッターの開閉が途中で止まるなどの症状が出ているときも、そのまま手動で使い続けず速やかに修理を依頼しましょう。故障箇所以外に負担がかかり、修理代金が高くなるおそれがあります。
もし取り替えが必要になったらどのくらいかかるの?
シャッターの状態が悪く、取り替え・交換が必要になった場合はどのくらい費用がかかるのでしょうか。
項目 料金
シャッターの鍵交換
3,000円~2万円
シャッターの撤去
2万円~5万円
手動シャッターの全交換
10万円~18万円
電動シャッターの全交換
25万円~35万円
窓シャッターの全交換
8万円~15万円
点検・メンテナンス 15,000円~5万円
シャッターはそのものが高額になりがちなことに加え、交換の場合は一度撤去するために追加の費用がかかります。そのため修理を依頼するときはある程度の出費は覚悟するようにしておきたいものです。
複数の見積り比較は忘れずに
このように高額になりやすいシャッターの修理や交換は、上手に費用を抑えることを考えたいものです。そのためにも複数の業者に見積りを出してもらい、満足できる費用で作業をおこなってもらいましょう。
とくにシャッター修理では金額だけでなく、その内容まで確かめてください。業者によって部品の調整で済むか、それとも交換まで必要かという見立ては変わります。できれば見積りの内容を業者に質問して、なぜ修理で済むのか、交換が必要になるかを納得できるようにしておくことが大切です。
まとめ
シャッターは外部からの飛来物などから守るという機能から想像される以上にデリケートです。修理が必要な場合は直接わかる箇所だけでなく、隠れた部分に意外なダメージが入っていることも少なくありません。
また業者によってもシャッターの状態の見立ては変わってきます。シャッターの修理や交換を依頼する際には必ず見積りを取り、納得できるまでシャッター修理のプロと相談するようにしましょう。